【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

顔も鼻も目も真っ赤にして泣きじゃくるレナは、ソファーの上で三角座りをしていて
両足を両手で抱えて下を向いていた。 俯きながら小さく「ごめんなさい」と繰り返すレナの姿に、こちらの方が心痛くなる一方だ。

レナの性格は理解しているつもりだった。けれど理解しきれない部分もあった。

人一倍気にしいだけど、ここまで思い詰めてしまうタイプだとは思っていなかった。  そういう想いをさせてしまったのは自分だから、やっぱりあんな嘘をつくんじゃなかったと何度も後悔した。

ココアをテーブルの上に出しても、レナは顔を隠したまま泣いていた。

「レナちゃん、笑顔~……
そんな泣いてばかりいたら俺の方が悲しくなっちゃう」

顔を無理やり上げさせて、レナの頬を両手で掴む。 真っ赤に染まる瞳にレナの不器用さが窺える。

ティッシュで涙と鼻水を拭ってあげると少しだけ落ち着いたようで、ココアをゆっくりと口へと運ぶ。

「…大人になってこんなに泣いたの初めてかも…」

「ほ~ら、目を擦らないの。 擦ったら明日目が腫れちゃうんだからね~
俺の大好きなレナちゃんの目がパンパンになっちゃう」

俺の言葉にやっとレナは小さく笑ってくれた。

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