◇8◇ *SIDEレナ* 涙のジューンブライド。




あの旅行から二週間。 父から電話が入って、海同伴で家に来いと言われた。
また何か言われる。 そう思っていたのだが、父の口から語られたのは意外な言葉だった。

「レナのお見合い話は全部白紙に戻した。」

むすりと不機嫌そうな表情を浮かべる父の隣で、母はにこにこと笑っている。
一緒に来た海を見つめた父は顎をしゃくりあげながら、彼へと訊ねた。

「君は……本当に桜栄家へ入る気はあるのかい? それを君の両親は承諾しているのか?」

「それはそれは勿論そのつもりです。両親は俺の決めた事なら絶対認めてくれるし、桜栄 海とかかっけーじゃないですか!」

「かっこいい等と安易な理由で結婚を決めるな…!自分にとっても一生の事だろうが!

とはいえ、そういう話になるのならば君の両親にもきちんと話をしにいかなければいけないだろう。
私は今度時間を作る。東北のご両親の方に挨拶に行こう。 なあ、真子さん?」

「ええ、勿論ですわ。」