【完】素直になれない君と二度目の溺愛ウェディング

一体この人は何を言っているのだというのだろう。

この間まで結婚どころか海とは付き合うのも反対していたはず。 それを、お見合いを全て白紙に戻し、これは……海との交際を認めてくれているというのだろうか。

一体どういう風の吹き回しだ。

「……阿久津社長ともゆっくりと話をさせてもらった。
君と…レナの付き合いにはもう反対はしない。
しかし結婚を前提に真面目に付き合うという事を約束してくれ…」

「お父さん…。」

少し前のめりになった海が「勿論ですッ」と父の両手を取った。

拒否するとばかり思ったが、父は満更でもなさそうな顔をして照れくさそうに鼻で「フンッ」と笑う。

しかしすぐに眉をしかめて、ジッと海の顔に見入る。

「レナを泣かせるような事があれば、私が承知しない。 もしもレナを悲しませるような事を君がすれば、私は一生君を許さないだろう」

「肝に銘じておきます!お父様、ありがとうございますッッ!」

「まだ籍も結婚式もしていない!君に’お父様’などと気安く呼ばれる筋合いはない!」

「はッ!桜栄社長、一生ついていきます!」

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