愛の距離がハカレナイ
13
私は自宅の玄関で上目遣いにしげしげと祐介を見つめる。

「…阿里?」

何の言葉も出てこない私は思いきり祐介から目を逸らす事しか出来なかった。

「どうした?入って良いのか?」

私は祐介に背を向けながら、こっくりと頷いた。

当然こんな気持ちでは料理の手も進まず、出来合いのソースでパスタを準備するので精いっぱいだった。

「…どうぞ。」

食べるのが先か、話が先か、恐る恐る祐介を伺う。

2人がパスタを前に、テーブルについた。

「阿里。」

祐介がゆっくりと私の名を呼ぶ。

「すまない。俺の気持ちの整理がなかなかつかなくて話すのが遅くなってしまった。」

ああ…、この流れはやっぱり…。

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