愛の距離がハカレナイ
14
祐介がベトナムへ行って、1ヶ月。

祐介が新しい生活に慣れるまではと、私はわざと連絡をしていなかった。

仕事に全力を傾けていた。

ようやく南川課長の意図が掴めるようになってきて、先回りして動ける事も増えて来た。

なのに…。

「私の好きになった武田さんはどこへ行ったんだろうね。」

南川課長が近ごろそんな事を愚痴る様になった。

「仕事は確かに出来るようになった。本当に助けられているよ。でも…。」

私はにっこりと南川課長に微笑む。

「その表情が気に入らない。」

今度は少し顔をしかめて見せる私。

「南川課長は私に対して、肩ひじを張らなくなりましたよね。」

そして今度は声を出して笑う。

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