帰ってきなさい。

父の命令は絶対だ。

由佳は、はふっと、ため息をついて着ていた服を脱いだ。

本当に相変わらずなのね。
これが嫌だから、家を出たのに。

母からも先程『普段は一人で住んでいるのだから、お父さんが言った時くらい戻ってきて。』と連絡があった。

兄がふらりと家を出てから、父は由佳に殊更厳しくなった。
最初はブレアへの就職すら、認めなかったくらいだ。

実際由佳は家出同然にうちを出て、仕事をしている。
それでも帰ってこい、と言えば帰ってくる、父はと思っているのだ。

帰りますよ。
それは。

親は親として、尊敬はしているのだ。
ただ、好きにはなれないだけで。

──シャワーを浴びてから、家に向かおう。
そう思ったところ……鏡を見て由佳は絶句した。