「行きます。」
「だって……あなたは……。」
「お仕事、ですよね?」

その瞬間、強く手を引かれて、近くにあったストックルームに引き込まれる。
「さあ……?どうでしょう?あなたこそ、こんなに綺麗にして……誰とデートなんです?」

あの時と同じだ。
壁に手をつかれて、近い距離に大藤の冷たく整った顔。

「違います。そんなんじゃ……。」
「由佳、俺のことが気になるの……?」
耳元で囁かれて、由佳は鼓動が大きく跳ねる。
息が止まりそう……。

「こんなに綺麗にして、メイクも、ピアスも、ワンピースも……。」

ひとつひとつ、そう言いながら大藤の指が、顔を、耳を、身体のラインを辿って行く。

触れられるところは、どこもかしこも、ぞくんとして身体が逃げたいのに、後ろの壁に阻まれて逃げられない。

「や……。」
「誘ってる?」

「違います……っ。」
「そう。残念、」
そう言って、大藤は由佳のおでこを指で軽く弾いた。