脆姫は過去に生きる
強く強く抱きしめる。

鉄平のことを。


「咲菜~?どうしちゃったんだよ。」
困ったように笑う鉄平の声。

その声を聞いただけで今鉄平がどんな顔をしているかが分かる。

鉄平の腰に回している私の手。
華奢に見えて筋肉質な体。

お日様みたいな鉄平のにおい。

「鉄平だ・・・」
いろいろなものがこみ上げて言葉に詰まる。
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