「ただいま」

「おかえり、美鈴! お見合いどうだった?」

 帰宅するなり、ニヤニヤしながら興味ありげに聞いてくるわたしの母。

「どうって……。別に」

「別にって! 高木原さんの息子さん、いい人だったでしょ?」

 と言ってくるお母さんに向かって、わたしは「……まぁね」と答えた。 わたしだってイヤイヤで今日、お見合いというものに行ったのだ。そこまで乗り気な訳ではなかった。

「どう?美鈴、彼と結婚する気はない?」

「ない。わたしまだ22だし。……結婚なんてまだ先の話だもん」

 わたしはまだ、結婚したいと思わない。まだ人生これから長いし、それにまだ、やりたいことがたくさんあるから。今結婚してしまったら、それが出来なくなりそうだし……。

「そう?お母さんはいいと思うけどなぁ。高木原さんの息子さん、美鈴とまた話したいって言ってくれてるみたいだし」

「……まぁ、連絡先は交換したけど」

「ならいい機会じゃない!デートでもして来なさいよ。高木原さんと」

「ええっ」

 わたしが彼とデートする意味があるのか、分からない。