【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚



 そして高木原さんと会うため、わたしは支度をした。お母さんに言われた通り、戸締まりをしっかりと確認してから、家を出た。
 
「見て!あの人カッコよくない?」

「わかる!カッコイイよね?」

「誰かと待ち合わせしてるのかな?」

「もしかして、彼女だったりして〜」 

 待ち合わせ場所に着いた時、高木原さんのことをすれ違う女の子たちが見ていた。そしてそんなことを話していた。

 確かにあれだけの容姿であれば、女子の目が高木原さんに行くのは仕方ないことだと思う。……だけどなんか、その姿を見る度に思うのは、ちょっとイヤだなって思うことだった。

 他の人に見られるのもイヤだなって思うし、他の女の子に声を掛けられて笑っていることを見るのも、ちょっとイヤだなって思う。

 なぜこんなことを思うのか分からないけど、本当になんかこう、モヤモヤしてしまう気がする。……この気持ちは、なんなのだろうか?

 よく分からない気持ちに駆られて、訳が分からなくなる。 早く静まってほしい。わたしのこのザワつく心。

 なぜだかそう思ってしまう。
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