【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚



「え?」

「ほら、その袋」

 と指差したお母さんは、嬉しそうに笑っていた。

「あ、あ~これ? これ、一応梓さんとお揃いのクッションカバー……なんだけど」

「あら、いいじゃない!素敵よ〜」

 お母さんはニヤニヤしていて、なんだかとても嬉しそうに笑っていた。

「ね、ねぇ、お母さん」

 わたしはキスのことを話すか迷った。でも、話すようなことでもない気もするけど……。話したほうがいいのかな?こういう時って。

「何?どうしたの?」

 振り返ったお母さんに、わたしは「やっぱり、なんでもない」と言った。

「何?何かあったの?」

「い、いや。その、大したことじゃないから大丈夫!」
 
 まぁ大したことないとは言ったけど、わたしにとっては大したことではある。だけど……。キスをしてしまったなんて、言える訳ないって〜。

「何?もしかして、高木原さんにプロポーズでもされた?」

「ええっ!? ち、違うから!」

 わたしはお母さんのその問いかけに慌てて否定をした。

 プロポーズなんてされてない。だけどキスはした……。
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