【完結】年上御曹司と始める幸せお見合い結婚


  
 わたしの疑問だ。お母さんとお父さんは恋愛していた訳じゃないのに、どうして結婚したのだろうか?

「その答えは、いつか美鈴にも分かるわよ」

 だけどお母さんは、その答えをそう言ってはぐらかて教えてはくれなかった。

「ちょっと、答えになってない」

「いいの。例え恋愛結婚じゃなくても、お母さんはお父さんのこと、大好きなんだから。……結婚した理由なんて、そんなに大したことじゃないけど、お母さんはあなたたちがいてくれるから、いつも幸せなのよ?」

 そう言って笑うお母さんは、本当に幸せそうだった。

「……ありがとう、お母さん」

「え?」

「ここまで育ててくれて、ありがとう」

 だけどそんな両親に、わたしは心から感謝している。両親が結婚したから、わたしたちは産まれたのだから。

「いいえ。さ、何か食べて帰りましょう?」

「うん。わたし、お腹空いた」

「じゃあお父さんには内緒で、美味しいもの食べに行こっか」

「本当?やった!」

 わたしは、お母さんがお母さんでよかったと思っている。
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