私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

12.手合わせ開始







剣術大会の開会の儀で、神族や一般平民の前に姿を現した韋駄天様。

そのお姿を目にした私と、異世界の戦士たちだったが。

それが果たして偽物なのか、本物なのか。判断は不可能だった。遠目からだと、その【擬態術式】の綻びはよくわからないようだ。



なので、聖威の提案(上官命令?)で、私たちはまだ会場に残ることにした。

試合が始まると、試合場のそばにて子供たちの試合の観覧が可能になる。今よりは行動が自由になるのだ。

群衆に紛れて、韋駄天様の動向をそれとなく見守る。際限まで近付くことも試みて、【擬態術式】の綻びを見つけ、そこから特級犯罪人・架威の神力の波動を少しでも感じる事が出来れば、それは黒。韋駄天様は架威のなりすましだと断定出来る。という。

しかし、架威も特級神術士同等の実力を持つ。術式の綻びをそうそう出すこともない。

なので、どんな些細な変化も見逃せないのだ。



ーーーそうして、私たちは動き出した。






「取り敢えず、下に降りて試合見に行ってもいいかなぁ?」



そう言い出したのは、翼だった。

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