私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

14.やり過ぎ決勝戦

♦︎♦︎♦︎







「うーん……」



未だ大会は続行中。

しかし、私達は一旦試合場から離れていた。

ちびっこ試合が見応えあるからって、私らの目的を忘れちゃいけない。



何処へ来たかというと……来賓席の近く。

来賓席には、私達の標的であるニセモノと思われる韋駄天様がいるのだ。

今は同僚の武官と遠目から試合を観ながら談笑をしている様子。

私達は、程よく距離を置いて近付いて、身を隠してその様子を見守っていたのだった。



「聖威、どうだ?」

「ちっ。今んとこ、綻びは感じられないな」

「敵さんもなかなかやりますな」



現況の判断に舌打ちして、顔を歪ませる聖威。

特級犯罪人・架威は、特級相当の神術士。そうそうボロを出すことはなく、今も韋駄天様そのものに成り切って、振る舞っている。

……本当に、ニセモノなのかな。

と、疑ってしまうぐらい、韋駄天様そのものだ。



「……まあ、いい。引き続き様子を見よう。大会はまだ終わってないし」

「でも、あと決勝を残すのみとなってしまったで?」



そう。時間が経つにつれて大会も進行されていく。

残す一試合、決勝戦に残ったのは……天子・豹牙様と、あの夜叉の姫君、羅沙様だ。

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