私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

26.付け焼き刃









その薄ら笑いは、とても不自然で。

私の見たことがない、韋駄天様の表情。

目の前にいる韋駄天様は、韋駄天様ではない。特級犯罪人・架威であると認識すると、それはもう違和感でしかなかった。

韋駄天様はいつも朗らかで、こんな不気味に笑わない。

……何故、みんな気付かないの?!



怒りでも侮蔑でもない、何を考えているかわからないその視線に囚われて、動くことを忘れていた。

まるで、罠にかかった獲物のように。



「舞空、身の程を知れ!おまえに目を掛けていた父上に歯向かうだなんて、許されないぞ!……舞空!」



元婚約者の罵声でハッと我に返り、視線の拘束から逃れた。

その後ろからは、朝霧様が次々と私を罵倒する言葉を並べる。もう怒り狂ってるわ。普段穏やかでこんなに怒り狂った姿は見たことがない。

聖威の言葉ではないが、本当に父上大好きの父上命のようだ。

……あぁ、私。こんな人と婚約してたの?

なんか、ガッカリだ。

そして、隣にはちゃっかり、あの芙蓉様もいる。まるで婚約者気取りね?朝霧様の怒り狂った罵倒に同意するように、うんうんと頷いている。
< 261 / 461 >

この作品をシェア

pagetop