私らと、ざまぁするぞ!〜冤罪で追放された令嬢に手を差し伸べたのは異世界の戦士たちでした。

32.架威と対峙









聖威たちが、この天界に来るきっかけとなったーーー月輪界の特級犯罪人・星宿院架威。

その罪状とは、貴族一門の殲滅。月輪界のや衣装ある貴族、星宿院家を一夜にして一族郎党皆殺しにしたという。血の繋がった実の両親や親戚筋にも手を掛けた。

星見の最高峰といわれる、聖域の番人【宿曜】の力を手に入れるために。

そして……聖威の実の兄。



そんな極悪犯罪人が、今。

目の前にいて、私を視界に捉えている。



息が、詰まる。

その細い体から滲む圧に圧倒されて。

それは魔力なのか、殺気なのか。



だけど、怯えている場合ではない。この人は、自分の欲、ただそれだけのために何の罪もない韋駄天様や伽藍様を襲って、私を陥れたのだ。

それだけじゃない。この人は恐らく、善見城にいた星見候補の令嬢をも手にかけている。

どこをどう見ても許されない。そんな気持ちを持って、ささやかに反抗するように睨み返した。




「……まさか、あいつらが君に目を付けるとは思ってもみなかったよ。腐ってもルナドラグの有望な精鋭なんだね」

「……」

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