年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
◎ 撮影見学?それとも撮影?

土曜日になり、私と啓太は都内の指定された撮影スタジオへやってきた。

「撮影スタジオってもっと広くて大きなセットとかがあるようなイメージだったけど、ここって普通のオフィスビルだよね?」

「そうだよな。ここで合ってんのかな。寺田さんに電話してみるか」

≪寺田さん、Keiですけど。今、着きました。ビルの入り口にいますんで≫

自分のことをKeiと名乗る啓太にまだ慣れていなくて。また笑ってしまった。

「優菜、笑うなよ。今日は寺田さんに本名言うから。もう自分のことKeiって言いたくないし。なんなら優菜もYouに改名してみたら?どこかの社長の口癖みたいに。はははっ」

「イヤです!」

「Keiお待たせしました。こっち入って」

寺田さんがビルの中から出てきてくれた。

「ここで受付してくれる?セキュリティが厳しくてビジターカード発行しないと中には入れないのよ」

私たちは受付のお姉さんから受け取った紙に名前や住所を書いて渡した。

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