年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました


今日から啓太たちバレー部の試合が始まった。

私は久しぶりに一人で登校。いつも隣に啓太がいたから、寂しく感じるな。

一か月前までは毎日一人で登校していたのにね。

啓太が学校にいないって言うだけで、一日が長い。

早く土曜日にならないかな。会いたいよ、啓太。

学校に着くと、昇降口で偶然隼人先輩に会った。

あの日のお昼の時のことを謝りたいと思っていたから、私から声を掛けたの。

「隼人先輩、おはようございます」

「優菜ちゃん、おはよ。今日は一人登校なの?いつも一緒の彼氏は?」

「彼は今日から部活の大会なので。それより、この前のお昼は本当にすみませんでした。急に泣き出したり、走って逃げたりして」

そう言って隼人先輩に頭を下げた。

「いいよ、大丈夫。あの後、彩ちゃんに聞いたよ。あの日から彼と付き合い出したんだってね。良かったね」

「はい。ありがとうございます!」

「そんなに笑顔で返事されると、なんか複雑だなあ」

「どうしてですか?複雑って?」

「あはは。本当はさ、彩ちゃんに頼んで優菜ちゃんを紹介してもらうつもりだったんだよ。でもあの彼に先を越されちゃって。残念だけど、俺は一年生に負けたよ」

「そんな・・・。そうだったんですね、知らなかった。でも、ごめんなさい」

「そんな謝られたら、告白してないのに振られた感が凄いわ。立ち直れるかな、俺」

「やっ、やだ。そんな意味じゃなくて、ですね。えっと、その」

「冗談だって。それでも何か困ってることとかあったら、いつでも相談してきてよ。あっ、ちょっと待って」

そう言って隼人先輩は携帯番号とアドレスを書いたメモを渡してくれた。

「変な意味はないよ。知り合いの先輩として教えただけだから。じゃ!またね」

「あ、ありがとうございます!」

そう私がお礼を伝えると、隼人先輩は爽やかに笑って歩いて行った。


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