年下のかわいい後輩くんが彼氏になりました
そんな彼を見て、私の胸がズキンとした。高橋くんを守りたいって思った。
きっと私の中の母性本能。
「あのさ、高橋くん。本当に酷いと思うことがあったら、豪くんに相談するといいよ。豪くんならきちんと対応してくれるから」
「先輩は、豪先輩のこと・・・好きなんですか?」
「えっ?私が豪くんを?やだ!そんなのナイナイ!豪くんとは仲の良い友達だよ」
そう。その時は豪くんへの気持ちに蓋をしていたんだ。
豪くんには好きな人がいたから。
それからの私はいつも高橋くんを気に掛けていた。
高橋くんが重い荷物を運んでいたら手伝ったし、練習の休憩中に高橋くんと背比べをして、「あれー?少し大きくなった?」なんて言ってじゃれあった。
部活の先輩後輩として、仲が良かった。
そんな高橋くんとの関係は、私たちが3年生になり部活を引退した時に途切れた。
そしてそれは豪くんとも同じで。クラスの違う私と豪くんは部活という繋がりが無ければ、学校で滅多に会うこともなくなって。
本格的に受験勉強に突入する頃には豪くんも高橋くんも私の頭からは消えていた。
そして私は中学を卒業した。