コージは確かに智奈よりもあとに入ってきたホストだ。

それが目の前の男――キョウゴの差し金だったとは。

 智奈は目を丸くした。

信じがたいけれど、自分が危ない状況にあったことは、異様という曖昧な感覚に頼らずとも記憶がないことだけで証拠になっている。

 自分が騙され、罠に嵌まりかけたことを思うとぞっとするし、愚かしい。

智奈はぷるっと身ぶるいをした。

「寒い? 空調はきいてるはずだけど」

 目ざとく智奈のしぐさに気づいたらしく、おもむろにキョウゴは立ちあがって、窓際のテーブルのところに行くと、椅子にかけてあった茶色いものを持って戻ってきた。

それを広げながら智奈の肩にかけた。

それはガウンだった。

 そうわかって、智奈はハッとしながら自分の躰を見下ろした。