お疲れさまです、という川上の労いを皮切りに、あちこちから同じ言葉があがり、堂貫はかすかにうなずくというしぐさで応じながら出入り口へと向かう。

そんななか、堂貫のみならず智奈にまで視線がちらほらと向けられる。

 智奈に何も問題がなければ、羨望か嫉妬かと解釈するところだ。

明らかに力を持って乗りこんできた新人のトップに付けること、あるいは、堂貫を異性として見る人からすると、財力とか手腕とか相まって、やはりその端整な印象であること。

理由はそんなところだ。

けれど、智奈には問題があるゆえに、そんな種類の意味合いではきっとない。

 堂貫は、出入り口で待っていた補佐と合流すると、うなずき合ってから出ていく。

「ちょっと席を外します」

 智奈は堂貫がドアの向こうに消えるのを待って言い、出入り口に向かった。