先ほどから黙って火酒を舐めていたシドは、少しばかり酔いが回っているようだ。尾が左右に揺れているのも気づいていない様子で、空になった皿をまだ舐めている。

「皆、俺達の小さなご主人様が大事ってことだろ――リリンダ、つまみが切れた」
「今日はもうおしまい。団長も、皆も、飲み過ぎてる」

 サージにおかわりの催促をされたリリンダは、半眼でテーブルについている男達をにらみつけた。どうやら、彼女がこの屋敷の良心らしい。
 こんなの飲み過ぎたうちには入らない、と口にしかけたけれど、この空気を壊すのも無粋だ。

「俺はもう行く。明日も、リーゼに付き合うしな」

 この町には、やるべきことがたくさんある。小さな領主様を支えて街を発展させていくのもきっと面白い。