幼女で領主で聖女様!?名前を奪われ外れスキルと追放されたけど、辺境の地でなりあがる!
(フランは、今頃大変だろうな……)

 サージに届く母からの手紙には、フランチェスカについても触れられている。
 リーゼがいなくなった後、"リーゼロッテ"の名を与えられ――いや、押し付けられ――たフランチェスカには、何人もの家庭教師がつけられているらしい。
 フランチェスカ・フリードベルクはスキルを授かった後、病死。残ったリーゼロッテ・フリードベルクは公爵家の跡取りとなるべく、厳しい訓練を重ねている。
 という話が、世間ではまことしやかにささやかれている。デリモの地にまで都の噂が届くにはまだまだ時間がかかるだろうが、母からの手紙によると、都ではそういうことになっているそうだ。

(心配だなぁ……フランは、公爵のことが好きだけど……あの人は、自分の家名を守ることしか考えていないから)

 リーゼがまだ公爵と一緒に暮らしていた頃、彼は将来有望だとされたリーゼの方に愛情を傾けていた。
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