収穫祭から、一週間ほどが過ぎた。
 リーゼはお祭りを堪能したし、アルダリオンとムラトは相変わらず仲良しだ。
 アルダリオンにお酒をおごらなければならなかったムラトは悔しいらしく、日々の日課に筋力トレーニングが追加されていた。

「急に風が冷たくなってきたねぇ」

 歩きながら首をすくめたリーゼの首に、アルダリオンはふわふわのマフラーを巻き付けた。
 ピンクの毛糸で編まれたそれはとても温かかったけれど、こんなものをどこで手に入れてきたのだろう。

「私が編んだんですよ、リーゼお嬢様」

 リーゼの疑問を見て取ったかのように、アルダリオンはふわりと微笑んだ。

(編み物までできるんだ……)

 アルダリオンが執事として完璧なのは知っていたけれど、まさか編み物までできるとは。

「エルフは編み物が得意な者が多いんです。もっとも、私達が使うのは家畜の毛ではなく、植物からとった繊維が多いのですが」
「へえ、そうなんだ。これ、可愛くてあったかいね。ありがとう」

 マフラーに触れると、アルダリオンのリーゼに対する愛情が伝わってくるようで、心まで温かくなってくる。