話の合間も兎の耳を口に含んでいるフランチェスカは、窓に額を押し付けるようにして父の姿を探し始めた。

「すぐに来るんじゃないかなぁ。あそこにいるでしょ、挨拶が終わったらきっとこっちに来るよ」

 二人の父であるフリードベルク公爵は、玄関のところに立って客人達を出迎えているところだ。
 いつもなら執事やその他の使用人が出迎えるのだが、今日は特別な日だからという理由で父が外に出ているのだろう。
 この国では五歳になると神殿でスキルと呼ばれる能力を授かる。
 その能力によって未来が大きく変わることになるのだが、フリードベルク公爵家の娘達は有用なスキルを授かるであろうと予測している人達が、前祝いに訪れているのだ。
 双子のうち妹のフランチェスカは、四歳の子供にしては膨大な魔力を持っていた。成人でも、彼女ほどの魔力を持つ者は少ない。
 魔力は育てればある程度増やすことができるから、大人になった時にはさぞや有能な人物になるであろうと今から期待されているのである。