死神は花を狂おしい程愛してる
愛しくてしかたがない
みぞおちとお腹を、蒼士の手と口唇が滑っていく。
「んん……」
「もっと…声、聞かしてよ?
俺だけに…その可愛い声……」

あとは蒼士の思いのまま抱かれた。
狂ったように、花楓の全てを貪った蒼士。

この先、永遠に花楓と放れない。
このままひとつになって、なくなってしまいたい。

益々、花楓に落ちて抜け出せなくなっていた。


出逢って二日目なのに、蒼士の執着は既に凄くなっていて、離れることを極端に嫌がる。
蒼士の腕枕で、抱き締められている花楓。
少しでも動くと、
「どうしたの?離れないで?」
と、更に抱き締める力が強くなるのだ。

まるで宝物のように抱き締められていて、花楓の鼻と蒼士の鼻がくっついている。

「ん…蒼士さん…」
「ん?」
「そんなにジッと見てて、飽きないの?」
「全~然」
「そう…
もう少し、離れない?
苦しい…」
「それは、無理。
離れるとおかしくなりそう……」
「でも、ここにいるよ?」
「うん…わかってるよ」
「それに、喉渇いちゃったな…」
「待って、今羽山呼ぶから」
そう言うと、ベットの背もたれ上に置いていたスマホを取り、操作した。

すぐにノックと共に、羽山が姿を見せた。
「花楓様、お飲み物をお持ちしました」
「あ…はい、ありがとうございます」
ベットから下りようとして、蒼士の腕の中から抜け出そうとする。
でも蒼士にがっちりホールドされていて、びくともしない。
「ねぇ…なにしてんの?」
「あの…蒼士さん、離して?
飲み物、飲みに行きたい」
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