死神は花を狂おしい程愛してる
差が広がる
唐突に言った、蒼士。
「自分が可愛すぎて、周りの人間が汚くてむかつかない?」
花楓を見つめたまま、頬を撫でる。

「そんなことあるわけ……
蒼士さんこそ、とってもカッコいいよ」
「ほんと!?
嬉しい!じゃあ…俺達お似合いだ!」
嬉しそうにはしゃぐ、蒼士。

「でも、本気なの?
私との結婚」
「当たり前。俺の心奪ったんだから、責任とってよ!」
「でも10歳も歳の差あるよ」
「そんなに大きな差とは思わないよ」
「私は裏の世界のこと、何も知らないし…それにうちはそんなに大きな会社なわけじゃないし…」
「大丈夫。花楓に裏のことなんてさせないよ。
だから、関係ないじゃん!」
「蒼士さんは可愛いっていってくれたけど、やっぱりつり合わないんじゃ…周りの人達も似合わないって思ってるよ、きっと…」
「は?
花楓…自分の可愛さに気づいてないだけだよ!
もし誰かにそんなこと言われたら、俺が始末してあげるよ」
「そんな…怖いことしないで?」

正直、花楓は蒼士の愛情の深さに少しだけ退いていた。
確かに、花楓も蒼士に好意を持っている。
今回のお見合いも蒼士だから、会ってもいいと思えたのだ。
初めて会った時も、花楓の可愛さと美しさから色んな男性に囲まれて、付きまとわれたこともある。
そのせいで、男性不信に陥ったのだ。
それを当時中学生だった蒼士が、一喝して助けてくれたのた。
そんな蒼士に心を奪われたのは、事実だ。
だから、これからゆっくり知り合っていきたいと思っていた。
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