記憶がない。大袈裟なんかじゃない。本当に記憶がないのだ。五十嵐くんちからどうやって帰ってきたのか…。

「キ…キス…されたよね?」

わたしは自室につくなり、ヘニャヘニャと座り込み、そっと唇を抑えて、さっきの出来事を思い出せる範囲で思い出す。

…なんで?

どうしてキスされたのかわからない。キスする雰囲気じゃなかったよね?てか、キスって恋人同士でするものじゃないの?

もう何もわからない。

こんな状況なのに、微かに服から香る五十嵐くんの甘い匂いが心地良いと思うのは…?香るたびにドキッと胸が高鳴るのは…。


わたしの中で複雑に膨らむ2人の男子への気持ち。

あの日…徹くんに告白された日以来、徹くんとは連絡を取っていなかった。もちろん向こうからくることもなく…。