誰を?何を?見ているの?

☆☆採用


「良かったのか?」
「うん。何か違った。」
「そうか。」
「うん。
でも、彩葉がどう考えるかは、
知らないわよ。
彼が、どうでるかも·····だけど。」

風間君は、あちらの引き継ぎをして
こちらに来るから
ひと月後になる。

住まいを決めたりするらしい。

事務長にも、採用する事を伝え
事務手続きを行ってもらう。
事務長について仕事を習う形になる。

百合が
「彩葉と何もなくても
佐久間総合病院で働いて行けるの?
彩葉が違う人と幸せな姿が見れるの?」
と、訊ねると
彼・風間君は、
「採用して頂けましたからには
きちんと仕事はこなします。
彩葉····さんが、幸せななら
それでよい····
嫌、嘘です。
やはり、私と幸せになって欲しい
遥さんには、かなわなくても
私は、私なりやり方で
彩葉と穏やかな日々を送りたい
と、思っています。
でも、彩葉が、それでも
嫌だと言うのなら
何度も気持ちを伝えます。
もう、失うのも
間違うのも、嫌です。」
と、言うと
「そう。
お父様には、私から話します。
何も言わせないから
あなたは、あなたで
頑張りなさい。」
と、言うと
「ありがとうございます。
祖父にも会えていない状態です。
挨拶の許可を取ってみます。」
と、風間君は言い
佐久間総合病院を後にした。

その日の夜に
百合は、お義父さんに話をした。

お義父さんは、
驚きと····呆れ····を見せたが
「任せる。」
と、俺に一言伝えて
黒木さんを連れて別宅に帰って行った。
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