誰を?何を?見ているの?

☆☆未来へ


俺は、今勤める病院へ
退職を申し出て引き継ぎを始める。

事務の方を始め
院長先生からも止めて頂いた。

本当に感謝しかない。
事務長と院長には、
自分の思いや願いをきいてもらった。

二人は、そんな俺を
「「応援している。」」
と、言ってくれた。

本当ならもう少し
事務長の下で勉強したかった
だが、竹田製薬さんから
「佐久間総合病院の事務長さんが
後任を探しているみたいですよ。」
と、教えて貰った。

後任が勤まるとは
思っていないけど
少しのチャンスも逃がしたく
なかった。

電話を入れ、履歴書を送らせて貰い
面接日を決めて貰った。

院長である、彩葉の父親
義父だった方に会う。

許されない事をした
だが···いい加減な気持ちではない事を
伝えたい。

院長室に入るなり
院長である義父は
驚いた顔をした。

俺は、その場に土下座をして
非礼を詫びて
こちらで働かせて貰いたい事を
伝える。

俺の姿に驚く事務長に
院長は、経緯を説明してくれた。

採用して頂ける前に
義母である百合さんに
会わないと行けない。

院長に
「百合が入ってきても
動かずにそのまま座っていなさい。」
と、言われたから
座って待つ

百合さんから、
「頑張ってみたら。」
と、言って貰えて
俺の方が、驚き顔をあげると
ん?と、言う顔をする百合さん。

鼻な奥が、ツンとなり
涙がたまるのが、わかる
「ありがとうございます。」
と、何度も伝えた。

院長は、苦笑いをしていたが
「あちらに失礼ないようにして
来なさい。待っているよ。」
と、言って貰えて
「あっ、風間君
彩葉には、何も伝えない。」
「はい。それで結構です。
宜しくお願いいたします。」
と、院長と百合さんに頭を下げて
院長室を出て、
事務長に挨拶をして
佐久間総合病院を後にした。

あれから、ひと月後
引き継ぎも終わり
病院の近くのマンションを借り
引っ越しも済ませて
両親の墓参りをした。

兄貴には、エアメールを送った。
兄貴から一級建築士に合格した
と、連絡を貰っていたから。

呆れてるかもしれないが
兄貴なら、わかってくれると
思っていた。

阿川さんには連絡を入れた。
じいさんは、体調も良いと
言われてホッとしていた。

かなり、心労を与えたと思う
どんな気持ちで、風間を
手離すことを納得させたのか
じいさんの気持ちを思うとやるせないし
俺が簡単に会って良いとは
到底思えなかった。
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