兄に呼ばれた。
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パソコンを見ていた兄が、
いや、社長が顔をあげた。
その顔は“ 無 ”

「何をやってる?」
「申し訳ありません。」
「なぜ、相談しなかった?」
「···············」
兄貴には、天音がいる···から··
「薫?」
「俺で、良いかと」
「はぁー、バカが。」
「申し訳ありません。」
「総帥から、三ヶ月の間
売上を二倍にするか
二人とも、いちからやり直せ
との事だ。」
「そんな!!兄貴は関係ない。」
「孫だと思って甘く見ていた。
と、言われていた。
一蓮托生だ。」
「そんな·····」
兄弟で必死にやってきた。

本当に。
七光り何て言われないように
浅はかだった。
気になるものがあるから
散漫になるんだ。

そうは行っても、期日は刻まれる。

ひと月半は、頑張って、頑張ってみた。
だが、二倍にはならない。

その間に俺は、北里大学病院に通った。
非礼を詫びる為と兄の為に。

だが、彼女に合えることはなかった。
子供優先の彼女に
大人の俺は論外のようだ。

仕事を終えてから
2、30分は、病院の出入口で待つ
従業員の出口は違うかもしれないが。

通いだしてどのくらいになるか·····

ポニーテールの髪をその場で外す
彼女がいた。
「あの?」
と、声をかけるが気づかない
「佐久間さん」
と、呼ぶと
チラリと見て、だれ?と
言う怪訝な顔をする。

わからないのか?と思い
「風間です。」
と、言うが
かざま?と口が動くが、反応が薄い
「見合い」と、ワードを言うと
あ~あ、と言った顔をして
「何か?」
と、言われたから
「あの時は、本当に失礼な事を
申し訳ありませんでした。」
と、頭を下げると
「おじいちゃまか、風間さんに
何か言われたの?
謝罪なんていらないわ。
命を軽く考える人は、
どこの誰であろうと嫌いなの。
風間さんは、わからないけど
おじいちゃまも同じよ。私と。
では、さようなら」
と、颯爽とあるく彼女に
「軽く見てるわけでは、決してない。」
と、言うが彼女は聞く耳をもたずに
去って行った。

くそっ····どうしたら····
と、思いながら彼女の後姿を
見ていると······

「あら~、あなた。
彩葉を怒らせた、どこぞのお坊っちゃん?」
と、これまた、綺麗な顔の女性が。
「お坊っちゃんではない。風間だ。」
「あなた、並大抵じゃないわよ。
彩葉を怒らせて。
あの子は、自分より今から輝く
小さな命を大事に大切にする子なの。
それを、権力がどうの、体裁がどうの
って、話にならないわ。
諦めて帰ったら。
変質者で通報され兼ねないわよ。」
と、言われて
回りを見ると守衛さんもこちらを見ている。
だが、俺もここで引くわけには
行かず。
「お願いします。彼女と話を
させて貰えませんか?」
と、頭を下げて頼みこむ。
「やっ、止めてよ。
私が、なにかしたみたいじゃない。」
と、言う女性に何度も、再度お願いした。