誰を?何を?見ているの?

☆☆心決める


彼女は、右田さんといい
産婦人科医と言われた。

「ああ~、もう、私が怒られるわ。」
と、言いながら
明日、彩葉は、休みだから
あそこにいるはず
と、彼女が立ち寄る場所を
教えてくれた。

「時間とかは、わからないから
後は、自分で、頑張って。」
と、困ったような、あきれたような
顔をしながら教えてくれた。

その日に帰宅すると
疲れた顔をしている兄の横で
天音が兄貴と料理を作っていた。

「あっ、やっと、帰ってきた。
薫ちゃん、お帰り」
「ただいま。天音、帰ってきたのか?」
「うん、朝ついて、少し寝たけどね。
さあ、もう、できるよ。
座って。哲ちゃんも。」
二人で
「「はい。はい。」」
と、言って兄貴は、すわり
俺は手洗いにいった。

天音は、ピアニストで
海外にも行く
今回もイタリアに行き
今朝、帰国したようだ。

天音が家にいると
家の中が明るくて癒される
料理の腕は、いまいちだが
兄貴も俺も文句を言った事は
一度もない。

食事をして、片付けをしている
天音のそばで
兄貴に謝罪をした。

兄貴は、気にするなと
言ってくれたが。

今まで、必死にやって来て
売上を上げてきたから
それを更に2倍となると
中々、難しい

兄貴も俺も必死にやった。
だが······

俺の軽率な行動で
兄貴を煩わせたくない。
俺は、ここ数日考えて決めていた。
彼女が、なんと言うかだが。

帰る天音を兄貴が送り
俺は、風呂へと行く。

天音に対しての気持ちは
封印した。
可愛くて、ずっと見守ってきた
だが、天音には兄貴がいる。

兄貴が、幸せにしてくれるから
大丈夫、きっと、大丈夫。
< 7 / 85 >

この作品をシェア

pagetop