猫かぶりなカップル
というわけで週末、神城とデートすることになった。



大事なのはみんなに付き合ってる証拠とエピソードを作ること。



なので王道デートを実行します。



行き先は水族館。



本当は魚なんてほとんど興味ないんだけどね…。



近場だしちょうどいいから。



待ち合わせ場所に行ったら、神城は先に来てスマホを見ながら待ってた。



なんだか私服は新鮮だ。



ゆったりした白シャツと上に羽織ってる上品なグレーのカーディガンが王子感を演出していて、悔しいけどかっこいい。



一方の今日のあたしも当然かわいい。



白くてひらひらしたミニのワンピース。



襟元がレースになってるけど派手な感じじゃなくてふわっと可愛いの。



近づくあたしに気がついた神城は、スマホをしまう。



「私服かわいいな」



さらっとそんなことを突然言う神城。



たまに褒められるからドキッとしちゃうじゃん…。



でもそのあとはいつも通り。



「休日にわざわざ来てやったのに何で俺よりあとに来るんだよ」

「悪かったね。ほら、行くよ!」

「へいへい…」



水族館に入ると、中は当然暗い。



最初は熱帯魚ゾーンからだ。



映画のキャラクターで見たことのある魚がたくさんいる。



綺麗は綺麗だけどまじで興味がない…。



みんな何をそんなにまじまじと見てるんだろう。



さらっと通り過ぎれば十分じゃない?



にしても、休日なだけあって人多いな~…。



人混みの後ろから、やや背伸びをしつつ両脇の水槽をさらっと見る。



そんな風にしてサクサク通路を歩いてたら、隣を歩いていた神城が突然ぐいっとあたしの肩を引き寄せた。



神城の胸とあたしの肩が接触する。



見上げると、至近距離に神城の顔。



心臓がドキッと大きく弾んだ。
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