猫かぶりなカップル
猫かぶりは卒業
進級が近い。



毎年進級ギリギリのあたし。



だけど、前回のテスト以来勉強が楽しいと思えるようになったあたしは、成績も上がったし進級に関わるテストも余裕でクリア。



今回も大分奏に助けてもらったけどね。



次は奏と同じクラスだといいなあ。



でも、あたしと奏を同じクラスにするなんてこと、先生もしないだろうな…。



進級かあ…。



高校2年生は色々あった。



勝手に嫌っていた校内の王子に本性がバレて脅されて。



だけど助けてもらって、付き合ってるフリをして、柚子ちゃんっていう友達ができたり。



いつの間にか奏のことも好きになってた。



奏のおかげで自分のことも好きになれたし、人に嫌われるのも前ほど怖いと思わなくなって。



今のあたし、怖い物無しかも…。



そんな今日は、柚子ちゃんと遊ぶ約束!



いつものように、柚子ちゃんの家のリビングでおしゃべり。



なぜか、奏に後ろから抱きしめられてます。



「今日もラブラブだね~」

「…」



あえて否定はしない。



恥ずかしいけどね!



「柚子ちゃんは最近3人の彼氏さんとどう?」

「あー、別れたよ」

「えっ!?」



なんで!?



しかもすごいさらっと…。



奏は興味なさそうにあたしを抱きしめながらスマホを見てる。



「大河落とすの頑張ってたら、他の3人のことあんまり好きだと思えなくなっちゃって…」

「そうだったんだ…」



篠塚くんの存在がそれだけ柚子ちゃんの中で大きくなってるってこと…?



「それで、篠塚くんとは良い感じなの?」

「うーん…。全然靡いてる感じはしない~。デートは何回かしてるけど」

「そっかあ…」

「靡かない分、俄然やる気出てきた!」



柚子ちゃんが嬉しそうに言った。



なんか篠塚くんのことで頭いっぱいって感じ?
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