独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
「失礼いたします。お食事の前にシャンパーニュはいかがでしょうか?」

「お願いします」

透哉さんが答え、まずはシャンパーニュで乾杯する。

「透哉くん、琴子、結婚おめでとう」

伯父の掛け声に、私と透哉さんはお礼を言った。

コース料理をいただきながら、近況を報告し合う。

透哉さんと伯父はとても気が合うようで、ふたりを見ていると十年前に透哉さんと父が話していた光景と重なり、なんだか胸が熱くなった。

和やかな食事会はあっという間に終盤に入り、食後のコーヒーが運ばれてきた頃、私はおもむろに口を開く。

「伯父さまにご相談があるの」

「なんだい?」

微笑む伯父に胸がズキッと痛んだ。私は透哉さんに見守ってもらいながら、母の件を打ち明ける。

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