独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
和解と母の思惑
数日後、透哉さんの仕事が休みの日。

私たちはとあるデザイナーのアトリエへ、結婚式の衣装の打ち合わせに行くことになった。

私たちの結婚式は半年後、国内外から多くのゲストを招待し、都内の外資系高級ホテルで行われる。

挙式は白無垢、披露宴は色打掛とウエディングドレス、カラードレスをお色直しする予定で、こちらのアトリエではその洋装ドレス二着を作ってもらう。

上原玲於奈さんという新進気鋭の女性デザイナーは、透哉さんの大学時代の友人で、年齢は彼と同じ二十六歳らしい。

午後一時にアトリエに着くと、彼女とスタッフ数人が出迎えてくれた。

「ようこそお越しくださいました。このたびはおめでとうございます」

ブルーグレーのパンツスーツ姿の玲於奈さんはすらっと背が高く、華やかな顔立ちの美人だった。フェミニンなショートカットのヘアスタイルがとてもよく似合っている。

「真崎琴子です。よろしくお願いいたします」

私が挨拶すると、玲於奈さんは笑みを浮かべる。

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