「あら、社会勉強ですか?」

まさか私が母にお金に無心をされているなど知る由もない玲於奈さんは、感心したような目を向けた。

私はあいまいにうなずく。

「最初はなんでも不安ですよね。そういえば、カフェを経営している私の友人がフロアスタッフを募集していますよ。よければご紹介しましょうか?」

玲於奈さんに声をかけられ、私は目を瞬かせる。

「本当ですか?」

「はい。接客なので立ちっぱなしになると思いますが」

「大丈夫です。今夜透哉さんに相談してみるので、お返事はそれからでもいいでしょうか?」

「もちろんです。じゃあ透哉がいいって言ったら、友人に話しますね」

まさか玲於奈さんに仕事をつないでもらえるとは思ってもみなかった。