独占欲強めな御曹司は政略妻のすべてを奪いたい
「もちろん家事はきちんとします。透哉さんがお仕事で家を空けている時間帯だけでいいんです。許していただけますか?」

「琴子がしたいことを俺が制限するわけがないだろう」

透哉さんは寛大にも私の申し出を認めてくれた。

だめと言われる可能性も考えていたから本当にうれしい。

「ありがとうございます」

「家事は気にしなくていい。だが働きに出たいとはさすがに驚いたよ。琴子は俺が思っているよりもずっと頑張り屋なんだな」

なにも疑わず、おまけに感心までされてしまい、私は後ろめたくなった。彼に隠しごとをするのがなによりつらい。

玲於奈さんがカフェのアルバイトを紹介してくれると話すと、「玲於奈の紹介なら安心だな」とお墨付きをもらう。

すぐに玲於奈さんに連絡を入れ、二日後にカフェの面接が決まった。

玲於奈さんの友人であるカフェのオーナーは、森窪さんという名前だそうだ。

普段着でいいと言われたけれど、一応リクルートスーツで向かうことにした。


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