マンションに着くと、透哉さんは一直線に私を寝室に連れて行った。

シーツの上に横たえ、私に被せた自身のジャケットを剥ぎ取る。

「透哉さん、嫌……」

「あの男はよくて、俺は嫌なのか?」

ネクタイを緩めながら、透哉さんはベッドに乗り上げた。私を見下ろすその目は殺気立っていて、私は震えてしまう。

こんな彼を見たのは初めてだった。

「なにを言っているのですか……?」

「あの夜、あいつには無防備に触らせていたのに、俺の手は振り払っただろ?」

透哉さんは相当怒っている――。

でも一昨日彼の手を拒んだのは、ただお酒の匂いに気づかれたくなかったからだ。

私は透哉さんが好きなのに、彼に触れられるのが嫌なわけがない。

「こんなに肌を晒して……。君には俺の気持ちが少しも伝わっていなかったようだ」

「透哉さんの気持ち……?」

「ああ。俺と望まない結婚をした君には、せめて自由な新婚生活を送らせてやりたかった。だがそれは浮気を認めるという意味じゃない」