虐げられ幼女は、神子だろうと聖騎士パパ&もふもふお兄ちゃんたちと平凡に生きたい
 彼女がこうして魔法の練習と称してアルトリシアを傷付けるのは初めてではない。むしろ日常茶飯事と言ってよかった。

「お願い、もうやめて……!」

 無駄だとわかっていながらも、アルトリシアは必死に妹へ向けて懇願した。

 マイネス家の庭は、彼女にとって恐怖に満ちた檻と変わらない。

 今日は火球だが、先日は雷だった。

 光はアルトリシアに直撃するなり、激しい痛みと熱を生んだ。走り抜ける衝撃に彼女が身体を痙攣させる間もなく気絶するのを見て、メルニエラは息ができなくなるほど笑い転げていた。

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