篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。



「あの篠宮が女たらしだったなんて知らなかったな~、女子ウケしそうな顔だなとはなんとなく思ってたけど。正反対だから超意外!」


寝耳に水の話を聞いて、ビックリしてる様子。

篠宮くん、素顔を知られないように徹底的に隠し通してるんだな。


ファンの子が知ったらショックを受けそうだもんね。私も初めて知った時、信じられなかったよ。


「でも、私が好きだからもう遊ぶのはやめるって言ってたよ。それを信じてみようかなって」


「えっ、告白OKするの?」

「ううん、まだ考え中!」


すると、綾羽が難しい顔をして私の両手をぎゅっと握った。


「あたしはよく考えた方がいいと思う。
だって、女遊びやめるって嘘くさくない?
初めだけ調子のいいこと言って、またしばらくしたらフラフラしそうな気がする!

天音は優しくて流されやすいとこあるから、
いいようにされないか心配だよ!」


いつも明るく笑ってる綾羽の真剣な表情はレアだ。

私が騙されてないか、気にしてくれてる。

ふふっ、同い年だけどお姉ちゃんみたい。


確かに、流されやすいのは私も自覚してるつもり。

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