篠宮くんとふたりきりで、ヒミツのキス。



「慧くん」


「なぁに、天音」



名前を呼ばれたのが嬉しくて、また溢れ出てしまった涙を誤魔化すように篠宮くんの……慧くんの胸元に擦り寄る。



すき、すき、だいすき。



心の中は、好きでいっぱいだった。


ずっと誤魔化してきていた分、ようやく素直に認めたことで一層想いは溢れるばかり。


「すき」


「俺も好き」

「だいすき」


「っ、ん、俺も……大好き」


ぎゅっと優しく抱き締めてくれる慧くんに甘えて、さりげなく胸元に耳を押し当て……心地よい心音にほっとした。




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