【完結】最高糖度のキミが好き
俺の夕ご飯作ってください


 日野くんの夕食作りを請け負った次の日の朝、私は早速台所に立っていた。明日の日野くんの夕食はキーマカレーで、目の前には黄金色に透けたコンソメスープが入った小鍋がある。



 これは固形のコンソメを溶かして、さらに生姜で味を調えたものだ。これを製氷機で凍らせたものをフリーザーバックに入れてストックしているから、チンしてそのまま飲めたりもするし、下味をつけるにはぴったりだ。ひき肉を入れて、私はコンロの火をつけた。



 そのまま鍋の中身が水分を失うまで木べらで混ぜていくと、ふっくらと仕上がったひき肉が顔を出した。野菜と一緒に炒めてそぼろを作るのもいいけど、こうしておけば肉に下味がつくし、しっとり仕上がる。鍋底を掬っても水気が出なくなったのを確認して火を止めた。

< 196 / 586 >

この作品をシェア

pagetop