午前中はホテルでのんびり過ごしレイトチェックアウトして空港へむかった。

5日間なんてあっという間だったなぁ。

どこに行っても花がそこかしこに供えられており気持ちが穏やかになった。
また改めて来たいな。

そう思いながら私は搭乗口へ向かった。
私はこの瞬間が1番嫌い。
あーあ。旅行が終わっちゃう…と思うから。
現実に引き戻される思いで飛行機に乗り込んだ。

私は大抵窓側の席を取っている。
そのため早めに搭乗し、荷物を棚にあげておく。通路側の人に迷惑をかけずに済むよう必要なもの以外は全て収納してある。

片付けも終わり座って身の回りの整理をしていると、「やあ」という声がした。

顔を上げると驚いたことに3日前より日焼けした彼の姿があった。

なんという偶然か彼は私の2つ隣の通路側の席を押さえていた。

彼はあっという間に荷物を片付け、着席した。

「これから8時間よろしくね。」

「こちらこそお願いします。それと、先日は大変失礼しました。」 

「そんなかしこまらないでよ。」

「なんだか情けないところばかりお見せしてしまって…。でもあのあと気持ちがかるくなりました。」

「パワーはもらってきた?」

「はい!寺院をめぐりました。そこで転生輪廻という考え方も教えてもらいました。」

「輪廻転生?生まれ変わるって考え?」

「そうですね。輪廻転生は亡くなることは悲しいことではなく再出発を意味するそうです。身体は亡くなっても魂は生き続ける。なので悲しくないということみたいです。だから私も悲しんでばかりではいられない、と奮い立ちました。」