バリから帰ってきて半年。

久しぶりの連休で溜まった家事を済ませていると、ふと好きな作家さんの書いた旅行記の最新版が出てると思いだし、カフェが併設されている本屋に行く。
久しぶりに本を買い、カフェでランチしてこよう!と思い立ち家を出た。

この作家さんは私の大好きな人で色々な場所に行き、色々な経験を本にまとめている。写真も多く、自分まで行った気になる。
地元の人との交流やまだ知られてないお店、知らない料理。
実はこれを見て私は旅行に行き、初めて食べた料理もある。
この作家さんはどんな人なのかわからないが何にでも興味を持ちいろんなことにチャレンジしてみる前向きな姿勢が好印象。
この作家さんの出した本は全て持っている。
今回はどこの旅行記なんだろう。

本屋で早速見つけた。
出たばかりなので平置きにされており、すぐ目に付くところに置かれていた。
今回はバリだわ。
この前行ったばかりだったこともありすぐに手に取りお会計を済ませカフェに行こうとしたところ店員から声がかけられた。
「お客様、今日この作家さんのサイン会が2時からありますよ。あと1時間くらいありますがどうですか?」

「そうなんですか?!うわぁ。嬉しいです。どんな人なんだろうって思ってたので。ランチしながら待ってみます。」

なんだか嬉しくなりウキウキしながらカフェスペースへ移動した。
サーモンのサンドウィッチとアイスコーヒーを飲みながらページをめくり始めた。
懐かしいバリの景色がたくさん納められている。私の行った寺院もあった。
海に沈む夕日の写真を見て私も観たなぁって懐かしさにふける。
魚釣りをしてる写真もあった。
後ろ姿だが地元の人となのか3人で釣りをする姿が写っている。
海の中の写真もあり透明度の高さがゆえに魚の鮮やかな色が映える。
夜の海の中の写真もあり、真っ暗な海の中はなんだか怖い。でも一筋のライトの明かりに照らされたところに映る世界がなんとも言えない。
口では言い表せない世界が広がっていた。
私の知っている昼間の明るい世界とはまた違う世界があった。

サンドウィッチを食べ終え、パラパラめくっていた写真を終え改めて文章を読み始めた。

今回は海の中だけに特化した特集にするつもりだったがふとした出会いがあり、その出会いからさらに次の出会いに恵まれ、人との触れ合いの多い旅だった、と書かれていた。

『ふとした出会いから人の人生の儚さに触れ、またその人から輪廻転生の考え方を教わった。
人生は一度きり。だから毎日を後悔のないように生きなければいけない。でも死は終わりではなく次へのスタート…悲しんではいけない。悲しむことで亡くなった人がきっと心配してしまう。前向きでありたいと思う。』
そう綴られていた。

あれ、と思った。
私もバリで現地のガイドに輪廻転生について学んだ。体は無くなっても魂は残っている。次の人へと魂は受け継がれていく。
だから死は終わりでなく新たな人生のスタートだと。
私の両親の死は悲しいけれどそれで終わりではない。この世のどこかでまた生まれてきてくれていると思いたい。
 
作者さんも同じ気持ちだなぁ…と身近に感じた。