美しき花は罪
罪と罰〜綺麗な花はいつか摘まれる〜
ラファエルはその後も、数多くの女性と毎日のように会い、そのたびに愛を囁いてきた。一人だけ特別扱いということはしない。恋愛関係にある全員を愛し、体も心も満たしていく。

「フランソワーズ、そのドレスよく似合ってるね。世界一綺麗だよ」

「シャネル、今日はもう遅いし泊まって行きなよ。大切な君が襲われちゃ大変だからね」

「エレーヌの料理、とてもおいしい!こんなおいしい料理を食べに帰って来ないなんて、旦那さん最低だね。まあそのおかげで、君のことも料理も独り占めできるけど」

「アリエル、君に似合うと思って髪飾りを買ってきたよ。うん、思った通り似合ってる。さすが俺のお姫様だね」

甘く、罪深い日々が過ぎていく。そんなある日、ラファエルの元にフランソワーズが急に訪ねてきた。時刻は日付けが変わるギリギリの時間で、突然呼び鈴が鳴った時はラファエルは驚いてしまった。

「フランソワーズ、こんな時間にどうしたんだい?まだ俺が起きていたからよかったけど、君みたいなか弱い女性は襲われやすいんだよ」
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