翌日、早めに起床した雅は今度こそちゃんとしようと意気込んで厨房へ向かった。

 お米を研いで、魚を用意して、味噌汁の具を作って────早めに起床したからか思ったより捗って、部員達が起床する頃には朝ごはんの準備は整っていた。

 山田と青木は厨房に来て随分驚いていた。準備どころかもうすぐにでも食べられる用意ができていたからだ。

「お、おはよう……早くない?」

「うん、昨日失敗しちゃったから今度はちゃんとしたくって。もう準備できてるから山田さん達はお茶のボトルをテーブルに運んでくれるかな」

「うん……」

 そうこうしている間に七時になって、寝ぼけ顔の部員達が食堂に入って来た。部員達は朝練で慣れているようだが、それでも何人かは眠たそうだ。

 これを食べ終わったらいよいよ実戦形式の練習になる。

 食事が行き渡り席に着くと、皆が食事を口に運ぶ様子を雅はじっと見つめた。

「あれ、今日の美味しいね」

「うん、味噌汁も美味い定食屋のみたいだ」

 美味しそうに部員達が食べてくれる様子を見て、雅は思わずほっと胸を撫で下ろした。

 昨日不味いと言っていた部員達もちゃんと食べているようだ。何人かはおかわりをしていた。

 今度は失敗しないようにと何度も味見したし、単調な味付けにならないように味噌汁などの毎日出るメニューは色々調べて来たから、一週間くらいなら変わる変わる違う味を出せる。

「今日のは誰が作ったんだ?」

 ご飯をかき込みながら夏弥は雅を見つめた。雅はドキッとしながら恐る恐る答えた。

「私が作ったんだけど……変だった?」

「いや? 今日のはうめえな。これなら嫁に行ける」

「よかった……もう変な味付けにはしないから安心してね」

「味噌汁と卵焼きと白飯が作れりゃ、大体のもんは作れるって言うしな」

 昨日は文句を言っていた夏弥も今日は大丈夫なようだ。雅は安心してようやく自分の食事に口をつけた。