「……え」

 ええ?……ええっ!?

「光莉の唇、柔らかいな?」

 そして篠原くんは、そう言って怪しく笑ったのだった。

「なっ……! な、な、なんてことを!」

 いきなりキスするなんて、ひどいっ!

「恋を始めるなら、まずはキスからってな?」

「え、え、え!? な、なんで!?」

 意味が分からない〜!! 恋を始めるのに、キスからなんてあるの!?

「そのリップ、俺のために付けてきたんだろ?わざわざ」

「えっ」
 
 いやいや、そんなつもりは全然なかった。なかったけど……。でもなんでか分からないけど、今日はこのピンクのリップがいいと思って付けてきた。意識なんてしてなかった、けど……。

「似合ってる。可愛い」

「か、か、かわ、可愛いっ!?」

 可愛いなんて……! 恥ずかしいっ!

「光莉は昔から、可愛かったよ」

「……え?」

 昔から? そんなの、聞いたことない。初めて知った……。

「あの時、気が付いたら光莉のことばかり考えるようになってた。 それで思ったんだ。あ~、俺って光莉のこと好きだったんだなって」