堂くん、言わないで。
ロイヤル・すとれーと・フラッシュ!







「なんだ、安藤ひとりか?」


お弁当を食べていた現国の先生が、わたしを見あげて怪訝そうに眉を寄せた。


お昼休みの職員室はまるで教室のようにざわざわしている。

そんななか、ぽつんと立っている自分だけがひどく浮いているように感じて。


わたしはここでも浮いてしまう存在なのか、と。

ひそかにショックを受けた。



「量があるからもうひとり連れてこいって言ったはずだが」


言うとおりにしなかったわたしを若干責めるような口調だった。



「だ、大丈夫です。わたし結構力あるんで、ひとりで持っていけます」


先生はそうか、とも、そうか?ともとれるような反応をしたあと、デスクの端に積んであったクラス分のノートを指し示した。



「じゃあ頼んだぞ。重いから気をつけて運べよ」

「わかりました」




山積みのノートを持って、職員室をあとにしようとしたときだった。




「待て。それだけじゃなくて」

「はい?」

「その横にある問題集も」

「……え」



愕然としたわたしに、先生はそれ見たことかという顔をした。


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