愛され、囲われ、堕ちていく
嫉心
「あ、凪!起きた?ごめんね…俺も添い寝する予定だったんだけど、コイツ等がうるさくて……
おいで?」
両手を広げて待つ、伊織。

「うん…あ、環奈さん。なんでそんなとこに?」
「凪!!早く!」
「う、うん」
伊織の元に行き、伊織の横に座る凪沙。
「凪、横じゃなくてここ!」
伊織が自分の足の間を、トントンと叩く。
「え?でも、環奈さん達いるから……」
と環奈達を気にしながら言う。

「は?またさっきの風呂場みたいにしようか?」
「それは嫌…!」
「だったら、ここ!」
「う、うん」
凪沙が足の間に座ると、伊織がギュッと抱き締めた。
「凪~いい匂いする~」
「伊織…恥ずかしいから、やめて…」
「やだ…凪、柔らかい……」
「伊織、皆さんもなんか飲む?」
「そうだな、ビール持ってきて!」

キッチンに向かう途中、環奈達にも話しかける。
「環奈さん達も、あちらに座って下さい。
あと、何飲まれますか?
またコーヒーでいいですか?」
「凪!!」
「え?」
「凪沙、そいつ等はいいからビールだけ持ってきて!」
「え?でも…」
「凪ちゃん、その子達はもう帰るから。
それにこれ以上、伊織を怒らせないで?」
「はい…わかりました」
「あの…」
環奈が小声でにも凪沙に話しかける。
「え?」
「お手洗い借りていいですか?」
ちょっと顔を赤らめて言う、環奈。
「あ、はい…こっちです」
環奈と一緒にリビングダイニングを出た。
「すぐそこのドアです」
「はい、すみません…」
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